所得税及び住民税の節税効果が最も大きいのは、小規模企業共済(中小企業退職金共済)制度でしょう。
小規模企業共済とは、小規模の個人事業主や会社の役員のための、退職金共済です。この小規模企業共済の掛け金は、所得税の金額の計算上、全額控除することができます。これを、利用すれば、節税が可能になることもあります。
例えば、所得税の税率が22%(住民税の税率は10%)の役員が、小規模企業共済制度に加入し毎月の掛け金が7万円の場合、
所得税は、7万円×12月×22%=184,800円
住民税は、7万円×12月×10%= 84,000円
併せて、268,800円の節税になります。
また、利益の出ている会社の場合、役員報酬を月当り7万円アップしたのと同時に、役員が小規模企業共済に同額加入した場合には、所得税の負担が増えることなしに、会社の経費を年間84万円増やせます。仮に、会社の所得に対する法人税等の実効税率が40%だとすると、年間33万円程度(84万円×40%)の節税になります。
この退職共済の受領時は、原則として、退職所得として課税されます。ただし、退職所得には、退職所得控除(勤続20年で800万円、30年で1,500万円、40年で2,200万円)があり、しかも、収入金額からこの退職所得控除を差し引いた金額の半分(2分の1を掛けた金額)に対して税金が課されるため、給与所得に比べ、税負担はかなり軽くなります。
この小規模企業共済には、常時使用する従業員数が20人以下であることなど加入要件があります。更に、掛け金は月額7万円が上限です。
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